これって、 2016 clojure advent calender の記事です。
もともと紙とペン・定規・コンパスなどの道具で点や線を書くので、手書きのころは立体物でも2次元の図面だけ作っていました。僕も実は機械工学科だったので、「図学」とか言ってちゃんとした製図の方法を習ったりしたものです。
コンピュータを使うようになると、自由度が広がってこれまでできなかったようなことができるようになりました。
- 3DCGで立体を描画できるので物をイメージしやすくなった
- 曲線を直接扱えるようになって、自由な形が作れるようになった。
などです。 最近の3Dモデラーなども目的は同じではありますが、数値から離れて直感的に物を扱えるようになっています。
自由度を広げるという方向にはまた別のアプローチとして、例えば二次関数や表されるグラフのように数式で表される線や、特定のアルゴリズムによって定義される点や線の集まりで図を作るという方向性に行ったものもあります。
パラメータを含んだ式を使って図面を表すことで、複雑な形でも簡潔に表すことができる可能性があったり、また、そのパラメータを変更するだけで、大きさや比率の違うものが簡単に作れたりするわけです。
ようするに、部品があって、それに対する操作があって、列挙したり、繰り返しや条件分岐などで制御したりなどして、目的のものを作っていくわけです。 そして、変数が使えることによって、各属性をパラメータにする(パラメタライズ)ことができるので、カスタマイズが楽にできるということになります。
SCADの言語というか表現方法は、ちょっと独特で、そこそこ長いプログラミング経験がある僕としても始めて見る感じの書き方で、かといって使いやすかったり、読みやすかったりするわけでもなさそうです。
そんなわけで、しばらく前に目にしてはいたものの、手は出していませんでした。
最近、久し振りに図面を引くことになり、フリーのCADの状況を調べていたときに再発見しました。 記述方法そのものも以前のより進化しているようですが、なんと、ClojureでDSLを作った人がいるようなのです。
ということで、ちょっと調べてみることにしました。
http://adereth.github.io/blog/2014/04/09/3d-printing-with-clojure/
筆者がこんなこと書いてます。うん、そのとおりですね。
そして、そんな場合にこそDSLを作ることに意義があるのでしょう。
奇妙な関数の書式
関数名の後のカッコ内のパラメータに付いている記述やブロックの書式
ソースコード上に変数の経路を複数作ることができ、また、変数の値の変更が予期せず変更以前の場所にも波及したりする。
うんうん。 よさそうですよ。
scad-cljを使ってとりあえず何か作ってみましょう。
https://github.com/farrellm/scad-clj
なんともシンプルですね。docディレクトリがあって、中に「intro.md」なるファイルがあるので期待して空けてみると。
ともあれ、leiningenでプロジェクトを作成してscad-cljを関連づけます。
:dependencies の ベクターに [scad-clj "0.5.2"] を追加して、lein deps を実施します。
関連パッケージを含めていくつかのパッケージがローカルに転送され、準備OKです。
さて、どこかにあるはずのサンプルを探します。ネットを探しまわるのもありですが、まずは、ソースからです。
testディレクトリがあるのでまずはそこ。テストが書いてあれば、それぞれの関数がどのような入力に対してどのような出力をするのかよくわかるはずです。
が、これも空でした。残念。
となればソースを見るしかなさそうです。
geometry.clj には、 line と lines という関数があります。その通り、線を引く関数のようです。
text.clj には、文字列を生成する text-partsという関数が定義されています。
model.clj には、$f や $fa など、scadで特殊な意味のある変数や、import や use などの指示子、あとは、square や sphere などの基本的な2Dと3Dのパーツが定義されています。
そして、scad.cljには、write-expr というメソッドが定義されていて、たぶん、これが、レンダラーですね。
と、ここまで見てきても、全くイメージが掴めません。
まあ、結局最初のサイトですね。scad-clj を知るきっかけになったサイト
とりあえず、書いてあることをやってみましょう。
立方体(cube)と球(sphere)と円柱(cylinder)を合成(union)したものがprimitiveとしてできあがるはずなんですが、これ、どうしたらいいんでしょう?
write-scad という関数でこのprimitiveを出力できる形にできるようなので、REPLを起動して実行してみます。 ファイル名はとりあえず、 test01.scad とでもしておきます。 できたファイルをscadで開いてみます。
表示されましたねー。
さらにこのscad、開いているファイルが変更されると自動的に読み込むようになっているので、primitiveを変えて関数を呼ぶだけで、scadの中の図形が自動で変更されます。
ということで、scadの画面を開きながら、REPLでいろいろ試行錯誤しながらあれこれ形を作ることができるということのようです。
なかなか面白そうですよ。
こんな風に、Clojureの制御構文も使うことができます。
ということで、これでちょっと変った物をと思ったのですが、面白そうなものを思いつかず、時間も無くなってしまったので、将来の自分への宿題ということで・・・
CAD
Computer Aided Design ということは、コンピューターを使ってデザインをするためのツールですが、基本的には「製図」をするためのツールです。学生時代に製図をしたことが無いとなんのことかわからないかもしれませんが、機械や建造物などの設計図を書くことを製図といいます。もともと紙とペン・定規・コンパスなどの道具で点や線を書くので、手書きのころは立体物でも2次元の図面だけ作っていました。僕も実は機械工学科だったので、「図学」とか言ってちゃんとした製図の方法を習ったりしたものです。
コンピュータを使うようになると、自由度が広がってこれまでできなかったようなことができるようになりました。
- 3DCGで立体を描画できるので物をイメージしやすくなった
- 曲線を直接扱えるようになって、自由な形が作れるようになった。
などです。 最近の3Dモデラーなども目的は同じではありますが、数値から離れて直感的に物を扱えるようになっています。
自由度を広げるという方向にはまた別のアプローチとして、例えば二次関数や表されるグラフのように数式で表される線や、特定のアルゴリズムによって定義される点や線の集まりで図を作るという方向性に行ったものもあります。
パラメータを含んだ式を使って図面を表すことで、複雑な形でも簡潔に表すことができる可能性があったり、また、そのパラメータを変更するだけで、大きさや比率の違うものが簡単に作れたりするわけです。
OpenSCAD
OpenSCADは、ものの形状を式で表しやすい形状の集まりとして扱うことに特化したCADの一つです。ようするに、部品があって、それに対する操作があって、列挙したり、繰り返しや条件分岐などで制御したりなどして、目的のものを作っていくわけです。 そして、変数が使えることによって、各属性をパラメータにする(パラメタライズ)ことができるので、カスタマイズが楽にできるということになります。
ClojureでSCAD
LispでCADといえばAutoCADですね。使ったこと無いのですが、製図の図面に現れるオブジェクトとそれに対する操作を簡潔に表現する方法として、Lispが優れているということの証なのだろうと思ってるのですが、SCADの記述は残念ながらLispではありません。SCADの言語というか表現方法は、ちょっと独特で、そこそこ長いプログラミング経験がある僕としても始めて見る感じの書き方で、かといって使いやすかったり、読みやすかったりするわけでもなさそうです。
そんなわけで、しばらく前に目にしてはいたものの、手は出していませんでした。
最近、久し振りに図面を引くことになり、フリーのCADの状況を調べていたときに再発見しました。 記述方法そのものも以前のより進化しているようですが、なんと、ClojureでDSLを作った人がいるようなのです。
ということで、ちょっと調べてみることにしました。
scad-clj
scad-cljに出会ったのがこのサイトです。http://adereth.github.io/blog/2014/04/09/3d-printing-with-clojure/
筆者がこんなこと書いてます。うん、そのとおりですね。
そして、そんな場合にこそDSLを作ることに意義があるのでしょう。
- Strange function application syntax (parameters in parens after the function name with an expression or block following the closing paren)
奇妙な関数の書式
関数名の後のカッコ内のパラメータに付いている記述やブロックの書式
- Unclear variable binding rules (multiple passes are made over the code and the results of changing a variable may affect things earlier in the code unexpectedly)不明確な変数の束縛ルール
ソースコード上に変数の経路を複数作ることができ、また、変数の値の変更が予期せず変更以前の場所にも波及したりする。
- No package/namespace managementネームスペースが無い
- Multiple looping constructs that depend on what you are going to do with the results, not on how you want to loopいくつかあるループ構文は、どのようにループさせたいかではなく、結果をどのように使うかによって選ばなくてはならない
うんうん。 よさそうですよ。
scad-cljを使ってとりあえず何か作ってみましょう。
scadのセットアップ
本家のGithubはここです。https://github.com/farrellm/scad-clj
なんともシンプルですね。docディレクトリがあって、中に「intro.md」なるファイルがあるので期待して空けてみると。
TODO: write great documentationうーん残念。ドキュメントが無いようですから、使うには自力でソースなどを見てみるしかなさそうです。
ともあれ、leiningenでプロジェクトを作成してscad-cljを関連づけます。
:dependencies の ベクターに [scad-clj "0.5.2"] を追加して、lein deps を実施します。
関連パッケージを含めていくつかのパッケージがローカルに転送され、準備OKです。
さて、どこかにあるはずのサンプルを探します。ネットを探しまわるのもありですが、まずは、ソースからです。
testディレクトリがあるのでまずはそこ。テストが書いてあれば、それぞれの関数がどのような入力に対してどのような出力をするのかよくわかるはずです。
が、これも空でした。残念。
となればソースを見るしかなさそうです。
geometry.clj には、 line と lines という関数があります。その通り、線を引く関数のようです。
text.clj には、文字列を生成する text-partsという関数が定義されています。
model.clj には、$f や $fa など、scadで特殊な意味のある変数や、import や use などの指示子、あとは、square や sphere などの基本的な2Dと3Dのパーツが定義されています。
そして、scad.cljには、write-expr というメソッドが定義されていて、たぶん、これが、レンダラーですね。
と、ここまで見てきても、全くイメージが掴めません。
まあ、結局最初のサイトですね。scad-clj を知るきっかけになったサイト
やってみよう
とりあえず、書いてあることをやってみましょう。
立方体(cube)と球(sphere)と円柱(cylinder)を合成(union)したものがprimitiveとしてできあがるはずなんですが、これ、どうしたらいいんでしょう?
write-scad という関数でこのprimitiveを出力できる形にできるようなので、REPLを起動して実行してみます。 ファイル名はとりあえず、 test01.scad とでもしておきます。 できたファイルをscadで開いてみます。
表示されましたねー。
さらにこのscad、開いているファイルが変更されると自動的に読み込むようになっているので、primitiveを変えて関数を呼ぶだけで、scadの中の図形が自動で変更されます。
ということで、scadの画面を開きながら、REPLでいろいろ試行錯誤しながらあれこれ形を作ることができるということのようです。
なかなか面白そうですよ。
こんな風に、Clojureの制御構文も使うことができます。
ということで、これでちょっと変った物をと思ったのですが、面白そうなものを思いつかず、時間も無くなってしまったので、将来の自分への宿題ということで・・・
1 コメント:
こんにちは[浜松市のsps]です。
Twitterに下記文を投稿してからネット検索にて、このページを知りました。
もしかして「記事内容をテストすれば実現も。。」と思っています
まだまだ勉強不足です。学ぶ玄関が増えました。感謝!!感謝!!
#OpenSCAD #poly_arc #polyarc #polygon_arc #polygonarc #run_test
昨日まで作図機能しか考えていなかった。少し文字列操作を勉強します
機械的図面の3D化の練習をしています。
[面取]については通常に対応できますが、[R取]については一工夫が必要?
#polygon から派生できる機能で「見易いソース」ができれば。。
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