HP 42s の箱 (不具合発見編)

Posted by YpsilonTAKAI On 2019年9月20日金曜日 0 コメント

HP 42s を入手しました


ヒューレットパッカード(HP)の 42s という関数電卓を入手しました。
とある場所の本棚の奥に、ほこりを被って放置されていたものです。

HP 42s というのは関数電卓

1988年発売のHPの関数電卓で、評価の高い 41シリーズ とか 15c などの後継として発売されたものです。巷では名機と呼ばれています。知ってました。うそ。 WikipediaのHP 42sのページ の受け売りです。

ちょっと変ったもの好きなので、HPが採用している(た?)RPN方式の関数電卓35sを普段使っているのですが、この35s、HP電卓マニアに言わせると今一つのできだということで有名sでして、いわゆる本物、16cとか41cvとか使ってみたいなーと思っていたのです。

なので、42sが手に入ったのは夢のようだったのです。

外観

手元のものは、このような感じ。


ほとんど使っていなかったようで使用感ゼロ。ケースもあります。 残念ながら取説がみあたりませんでした。どこかに隠れていないだろうか。本棚には多分なかった。引き出しかなぁ。 いずれ改めて探してみたい。

35sと比較

手元にある HP 35s と並べてみました。
42s を見つけたときは、「これは35sよりだいぶ小さいな」と思ったのですが、実際に35sと並べてみると、意外にもそれほど大きさが違いません。35sの方が少し厚味があるのでそのせいなのか、縁にある装飾のせいなのか。

こうして並べてみると、キーの基本的な物理配列はほとんど同じなのがわかります。十字キーが入らなければたぶんまったく同じにしたのではないでしょうか。

論理配列は、かなり異なりますね。 Algebla方式をサポートするためとか十字キーのためとか理由はあるんでしょう。



30b と比較

これも手元にある HP 30b と並べてみました。
30bは比較的最近まで売っていたものですが、こちらはキーの物理的な配列は一緒ですね。30bは金融電卓として売っているものなので、論理配列はかなり異なります。

ちなみに、この 30b は残念ながら WP 34S 化に失敗して文鎮になってしまっています。



30b に付いてきたケースはなかなかよいデザインなので気に行っていました。 42sを入てみるとちょときつめではありますが、うまく入ります。 一緒にあった42s のケースはかなりきつめだったので、もったいないということもあり、そちらは使わないで取っておくことにして、30bのを使うことにします。


感触

HPの電卓の経験が多いわけではないので、どうこう言えるスキルがあるわけでは無いのですが、キーを押した感触は、35sに比べるとしっとりした感じがします。 キーが小振りだということもあるでしょうか。

液晶の表示は今の基準からすると見えにくいとう評価になると思います。大きさはともかく、もうすこしコントラストがあるといいですね。
35sの表示ははっきりくっきりです。




☆ 動かない ☆

電池を入れても動かない

みつけたときはかなりほこりをかぶっていて「こりゃあ使いものにならないかな」と思っていたのですが、丁寧に掃除してみると、前掲の通りかなり良いコンディションでした。 「これなら絶対動くでしょ!」ということで、即座にコンビニに走ってLR44を3つ調達。硬い電池蓋を外して電池を交換。で、スイッチ ON! ・・・

でも何も表示されない。おいおい。これはだめかなー。

これで諦めては分解君の名がすたるということで、ON ボタンをちょっと強めに押してみたり、軽くたたいてみたりするなどしてみると、「なんとかReset」という表示とともに、数字が現われました!

やった!
(今、思えばこれはラッキーだったと言えます。)

表示は現われたものの、数字を入力してみたり、役物キーを押してみたり、他には何をやっても表示は変わらず。 シフト + EXIT キーでの電源OFFすらできないという状況。

自己診断機能は動いたよ!

こういうときは、Weで情報収集です。

マニュアルを読むと、「計算機の動作確認(自己診断)」というすばらしい機能があることがわかります。 これで動くのかどうかわかるはず。

マニュアルの通り、「LN」キーを押しながら「EXIT」キーを押す という操作をしてみると、ちゃんと診断がはじまります。しかも、全部問題無し。でも、LNキーをちょっと強めに押さないと診断が始まらない。

(今思えば、LNキーが最上段にあるキーだったのが幸いしたわけで。)

計算機本体の診断がOKなのに、計算ができないというのはどういうことでしょうか。

キーボードが壊れているということでしょうか。この部分の構造はいわゆる導電パッド方式だろうから、そのあたりが経年劣化でボロボロになっているという可能性はありますね。
だとすると、その部分のパーツを交換するとかしないとだめなんだけど、こんな古い電卓のパーツなど入手できそうにありません。
実際どうなんだろうということで、キーボード交換とか修理とかで検索してみたところ、こんな動画をみつけました。

HP 42S Self test and Keyboard test

この動画では、
  • 自己診断の内容を1ステップ毎にEnterを押しながら実行している。
  • キーボードのテストをしている。
キーボードのテストというのがポイントです。マニュアルにある診断にはキーボードのテストはありません。起動方法は、画面が暗くてよく見えませんが、「LOG」キーを押しているように見えます。そういえば、取説には「LOGを押すと、工場で実施している自己診断テストがスタートします」とありました。これがそれのようだと気づくわけです。

そのテストを実行するために、「Log」キーと「EXIT」を押すと、最初にバグったうな画面になります。

続けてEnterを押すと進むはず、、、押すと、、、なにも起きない。うんともすんとも言わなくなる。で、電池を外してリセット。諦めきれず、それを何回かやっていると、たまに先に進むことができたりする。
Enterをちょっと強く押す必要がありそう。やっぱりキーボードか。

なんとかキーボードチェックのところまでたどりついてみると、ここでは、動画にあるように1つずつ、左上から順にキーを押していくのですが、やはりほとんどのキーが反応しない。 何度かやってみると、最上段だけは強く押と反応することが判明。

やっぱりキーボードがだめになっているようです。だとすると、部品の交換が必要だろうなー。 ほぼ不可能だろうなー。補修できるような問題だといいんだけどなー。 などと思いながら、こんどは分解系の情報を再度収集してみることに。

ついに原因判明!

キーボード修理で検索してひっかかった動画にこんなのがありました。

HP 32sII のキーボード/LCD表示不具合修理動画

32sは42sの廉価版という位置付けの関数電卓で、同じPioneerというモデルの1つのようです。基盤部分はかなり異なりますけど、ケース周りなどその他の構造はまったく一緒です。

で、この動画、キーボードとLCDの修理の手順を解説していて、殻割りの方法から閉じかたまで丁寧に解説されていてものすごく参になるのですが、3分以降あたりで、キーボードの不具合原因の説明をしているんですよ。 これでしょう!

そこに気づいてみると、これまでも検索で目にしていたサイトにも同じような情報がありました。 メモリチップを交換して容量増加とかHP 42sのディープな情報が盛り沢山なので無事に直せたらじっくり見せていただこうということで、あまりよく見ていなかったのですが、

Finetuneさんのページ HP 42sの情報ページ

よく見てみると

Finetuneさんのページ 32sIIのLCD修理

このページに同様のことが書いてありました。 このシリーズでは古くなるとよくある不具合だっていうことのようですね。

ということで、基板とLCDのコネクタの部分は、スポンジのようなもので圧迫して接続しているだけなのですが、そのスポンジの弾力がなくなっているのが原因ということ、その部分が前面からみたときには液晶表示部の下あたりということがわかります。

試しにそのあたりを押しながら操作してみると、なんと、まったく問題なく動くではないですか。うんともすんとも言わなかったのはなんだったんだという感じです。



そうしてみると、自己診断機能の起動ができたのも、LNキーとかLOGキーが最上段の液晶に近いところにあったからだったということがわかりますね。 運がよかったようですね。

この先

さて、不具合の原因はわかったので、時間を作って修理してみたいと思います。

幸い、お盆で時間がとれそうですしね。 仕事は休みじゃないけどね。

(この文章、お盆に書いていたのでこんな感じ)


今回はこのあたりで。



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